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本学への寄付

月刊農学部長 第59号

月刊農学部長 第59号

5月 初夏の野生の果実

 先月号を読んでくれた友人に「これからの季節は何が食べれるの?」と聞かれました。そこで,今回も山大キャンパスおよび周辺の野山にある野生食材のお話です。

 この季節,野生の果物が結構食べられます。最近食したものとしては,木いちご,桑の実,グミがあります。木いちごは最近めっきり見つからなくなりましたが,先日姫山沿いの小川の淵で見つけました(写真左)。小学生の頃,野原で見つけてみんなで嬉々として食べたことをよく覚えていますが,その記憶からするとちょっと変な味でした。きっと種類が違うのでしょう。桑の実は椹野川沿いにもたくさんありますが,何れも小さくておいしくありません。一方,農学部中庭の生物機能科学科の花壇にある桑の木は毎年大きな実をたくさんつけます(写真中)。赤い実はまだ食べられませんが,真っ黒くなるとキリッとした良い味がします。酸味が強いのでジャムなどに加工するのが一般的なようですが,酸っぱいのが好きという人はこのまま食べるのがおすすめです。グミも最近あまりお目にかからなくなりましたが,畑や山際で時々見られます。写真右のグミは畑の淵に植えてあったので,明らかに野生ではありません。たぶんビックリグミと呼ばれる最も食用に適した品種です。この他,月間農学部長第37号(20218月)で紹介した草いちごも,共育の丘周辺でたくさん採れます。いずれの果実もビタミン,ミネラル等はもちろんのこと,視覚機能改善作用が期待されるアントシアニン,抗酸化作用の強いβカロテンやリコピンなどを豊富に含む高機能食品です。お店で買うことができない食材なので,野山で見つけて,思いがけずおいしく食べられるお得感が最大の魅力です。

 以上のような野生の果実は,山中に分け入るとたくさん見つかるかというとそうでもありません。もしあってもあまりおいしくないのが普通です。やはりどこかで人の手が入って,何らかの改良が施されているものが我々の口には合うようです。最近は西中国地方でクマの目撃情報が相次いでいますので,中国山地の西端に位置する山口市でも気を付けなければなりません。2年前には月刊農学部長で「登山シリーズ」を書き,山登りを奨励しましたが,この夏は深い山に分け入ることは控えた方が無難です。

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