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本学への寄付

月刊農学部長 第68号

月刊農学部長 第68号

2月 学習成果の発表と4年間の評価

今年も学生の成果発表の季節がやってきました。今年は2人の博士(鳥取連大),38人の修士,106人の学士の発表会が行われました。修士論文の発表会(修士論文発表会)と両学科の卒論発表会(生物資源卒業論文)(生物機能卒業論文)の写真は,農学部HPで公開されていますのでそちらをご覧ください。

生物機能科学科の卒論発表会では,213日に朝840分から夕方530分まで,ほぼ休みなしで53名が次々と発表しました。室内の二酸化炭素濃度が0.1%に達しないように気を配りましたが,それ以外は完全にコロナ禍以前の発表会に戻りました。その間,ほとんどの先生方が出席され,自分の研究室以外の学生の発表も見守りました。約1週間前に行われた修士学生の発表会に比べると,量的にも質的にもレベルが下がるのは否めないですが,むしろ自由で楽しい内容も多かったように思います。先生方もちょっと学生の裁量を大きくして,寛容な気持ちで指導されているのかなと感じました。卒業して社会人になってプレゼンをする時には,指導教員という後ろ盾はなくなります。背景から質疑応答まで全責任が取れるようにしっかりと準備をして臨んでください。今回の経験が,将来生きることを願っています。

ところで,学生の皆さんは4年間でどれくらい自分の成長を実感しているでしょうか?実は我々教員も,学生さんの成長に関しては,確固たる自信はありません。そこで,この数年間はプログテスト(PROG (riasec.co.jp))を用いて,社会人基礎力(ジェネリックスキル)を数値化することに取り組みました。このテストは,1)リテラシ―:知識を活用して問題を解決する能力(読み書き能力を含む),2)コンピテンシー:人と自分にベストな状態をもたらそうとする能力(ハイパフォーマーに共通した行動特性),の2部構成になっています。その結果を簡略化してまとめたのが上記のグラフになります。2020年に入学してコロナ禍で大学生活をスタートした今年の卒業生のデータが赤で示してあります(4年間継続して受験した89名の平均値)。左グラフのように,リテラシーは2年時にスコアが伸びましたが,その後ちょっと停滞しています。結局,コロナの影響を受けなかった2020年卒業生(青)よりは少し点数が低くなっていますが,全国理系学部4年生7070人の平均値(黒)よりは高い値を示しています。一方,右のグラフに示したコンピテンシーは,入学後4年生まで順調に伸びて,結果的には2020年卒業生および全国平均値よりも高い値を示しました。心配されたコロナ禍の遠隔授業による弊害は特に認められず,我々としてはホッとする結果となりました。また,各テストの要素分析の結果,リテラシーとしては「構想力」が,コンピテンシーとしては「計画立案力」「統率力」等がやや弱点であることが指摘されています。教員側としては,今後のカリキュラム改善のポイントとして取り組んで行きたいと思います。

学生諸君は,4年間成長できたこと,全国平均を上回っていること等を自信として,胸を張って卒業してください。コロナ感染拡大により大学教育の危機に直面した学年でしたが,先生方の迅速な対応と学生諸君の努力により例年通りの学修成果をあげることができたと確信の持てる一日でした。みんな,次の世界でがんばれ!!

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