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本学への寄付

【SDGs関連】同志社大学の兼原特別客員教授による特別講演会を開催しました

 

 2022年11月30日(水)に、同志社大学の兼原信克(かねはら のぶかつ)特別客員教授を迎えて、「ウクライナ戦争から考える国際連合と平和構築」と題した講演会を開催しました。
 兼原教授は山口県の出身であり、外務省入省後、在米日本大使館公使、総合政策局参事官(国連担当大使)、在韓国日本大使館公使、国際法局長、内閣官房副長官補兼国家安全保障局次長などを歴任しました。
 講演では、2022年2月に、ロシアがウクライナに侵攻した経緯について、両国の歴史的な背景を踏まえて解説した上で、ロシアが西側先進国(日本、韓国、豪州などを含む)の価値観(自由と平等、人権尊重、議会主義など)を十分に理解できず、ひとたび一人の人間に巨大な権力が集中すると誰も批判ができなくなり、権力者が道を間違える危険性があると指摘しました。そのロシアが国連安保理事会の常任理事国のメンバーであることから、国連は機能することができないことは極めて残念であるとも述べられました。その上で我々は何をなすべきかという点については、「人間の良心に従い、協力しあい、自由で民主主義的な制度の上で互いに話しあうことが重要である」ことを強調しました。
 講演後、学生から「ロシアがウクライナの独立を認めず自国の一部のように振る舞っている点から見て、国境や領土という概念がそれほど重要か?」という質問があり、これに対して兼原教授は、「最も重要なことは住んでいる人々の自由な意志を尊重することである」と述べられました。また、「幾つかの国で独裁的な指導者が排除されないのは何故か?」という質問に対しては、「前近代的な社会は国王などの権力者層とそれ以外の従属層という単純な社会構造であり、強権的な国王などが排除されることが比較的容易であったが、現在の社会は組織構造が複雑であり、独裁者を取り巻く権力構造は容易に排除されないこと。また、それらの国々では自分たちの生活が安定し、個々人の生活に国家が過度に介入してこない限り、従順な態度を保持する傾向がある」と述べられました。
 講演に参加した学生にとって、国連や外交の場で長年活躍された郷土出身の外交官の講演を直接聞くことは大変貴重な機会であり、本学としては今後もこのような機会を継続して企画していく予定です。
 なお、今回の講演会に併せて、総合図書館の一階フロアにおいて「SDGsとJICA」と題する展示会を3週間にわたって開催しました。

 

 


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