オオスズメバチvsカブトムシ 最強の昆虫はどっち?
大学院創成科学研究科(理学系学域)の小島渉講師は、夜の間クヌギの樹液場を占拠していたカブトムシが、早朝にオオスズメバチによって次々と投げ落とされ、数分のうちに樹液場を乗っ取られることを発見しました。また、早朝から昼にかけて、樹液場にオオスズメバチが飛来するのを実験的に阻止し続けたところ、カブトムシの半数以上は明るくなっても樹液場に留まり続けました。カブトムシはクヌギの樹液場ではおもに夜間に活動することが知られていますが、朝になるとオオスズメバチによって樹液場から排除されてしまうため、夜行性であることを“強いられている”可能性があります。
この成果は、2022年11月6日に 米国の生態学専門誌Ecologyに掲載されました。
数分間のうちに樹液場からカブトムシがオオスズメバチによって排除される様子
カブトムシの脚に噛みつくオオスズメバチ
掲載誌情報
- 掲載誌:Ecology
- タイトル:Temporal niche shifts driven by interference competition: Giant hornets exclude rhinoceros beetles at sap sites at dawn
(干渉型競争が駆動する時間的なニッチシフト:オオスズメバチは明け方に樹液場からカブトムシを排除する) - 著者:Wataru Kojima
- DOI:10.1002/ecy.3914
- Link:https://esajournals.onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1002/ecy.3914